2007-01-14
PCをつくろう!(パーツ選びの巻)
はじめに
先日のひとりごとで記載しましたが、私のPCは危篤状態なので、PCを新調(自作)すべくパーツを吟味(インターネットで情報収集)しているところです。実際に近場のショップでパーツを購入して製作するのは、今月末から遅くても来月初旬頃までにと考えています。
一般的な自作PCの予算(本体のみ)は、選択するパーツにもよりますが、最低で3万円程~10万円前後のようです。勿論、所持しているパーツを流用したり、中古パーツを購入することでより安価に組み上げることもできますし、最新で高性能のパーツ、冷却性能や静音性などに拘れば、予算設定はそれに比例して高くなります。
今回のパーツ購入予算は20万円───。キーボードやマウス、ディスプレイなどの最低限必要な周辺機器も含んだ全てのパーツを新品で購入する為の予算です。今時は既製のPCでも15万円前後で購入できるので、十分過ぎる予算だと思います。しかしながら、どんなに予算があったとしても、予算の範囲内でパーツを選んでいると最終的に予算を上回る可能性があるので、一先ず予算の75%を目安にしています。そうすることで、予算と心にゆとりが持てます。最終的(全てのパーツが決まった段階)に予算にゆとりがあれば、「CPUをもうひとつ上の性能にしよう。」とか「周辺機器を購入しよう。」ということができます。勿論、余った予算を貯金に回すことだってできます。これに対して、最初から予算の範囲内でパーツを選んでいる場合だと、予算オーバーの為に「CPUはもうひとつ下の性能にするか・・・。」と未練を残す結果になることもあり得ます。だから予算の75%を目安としている訳です。
自作PCにあらずともメーカー製のPCを購入する場合でも、先ずはどんなPCにするのかを検討することでしょう。自分の用途に合った選択が重要という訳です。インターネットやメールをする程度なのにハイスペックなPCに大枚を注ぎこむのは、宝の持ち腐れになるだけです。かと言って、安物買いの銭失いになる買い方も解せません。兎に角、よく検討してみることが大切だと思います。
CPUの選択は用途に合せて
先ずはCPUの選択───。今なら、IntelのLGA775、AMDのSocketAM2、どちらのソケット規格も廉価版から最新版のCPUまで幅広く選択できます。
私のPCの利用目的は、10割中7割がプログラミングやウェブデザイン、2割がインターネット及びメールの利用、残りの1割がその他(ゲームなど)です。この程度だったら、廉価版CPUでも十分でしょう。例えば、Intel社製のセレロンDなら5,000~8,000円前後、AMD社製のSempronなら5,000~13,000円前後の市場価格です。どれも2GHz以上のクロック数なので性能面での問題はないでしょう。
新調するPCには、これまでは性能が低いが為に断念したことも数限りあったので、テレビの視聴・録画などにも活用できる性能を期待しています。時代は64ビットのデュアルコア!ということで、CPUには同時にたくさんのことを実行できます
[引用: インテルR Core 2 Duo プロセッサー より] という触れ込みのIntelの Core 2 Duo E6300(23,000円前後)を選択。
そういえば、デュアルコアといえば最新技術だと思われがちですが、実は15年近く昔に発売された家庭用ゲーム機・セガサターンがX6800(当時のシャープ社製PCに搭載されていたCPU)を2個搭載していたので、つまりはそれがデュアルコアの先駈けってことになりますよね?
製造元 | 名称 | 仕様 | 実売価格 |
---|---|---|---|
Intel | Core 2 Extreme | LGA775-Core 2 | 120,000円前後 |
Core 2 Quad | LGA775-Quad Core | 110,000円前後 | |
Core 2 Duo | LGA775-Core 2 | 23,000~80,000円前後 | |
Pentium D | LGA775-Dual Core | 12,000~40,000円前後 | |
Pentium 4 | LGA775 | 9,000~78,000円前後 | |
Celeron D | LGA775 | 5,000~8,000円前後 | |
AMD | Opteron | SocketAM2-Quad Core | |
Athlon 64 FX | SocketAM2-Dual Core | 86,000~ | |
Athlon 64 X2 | SocketAM2-Dual Core | 17,000~ | |
Athlon 64 | SocketAM2 | 10,000~20,000円前後 | |
Sempron | SocketAM2 | 5,000~13,000円前後 |
注釈
- 各プロセッサには、それぞれに幾つかの等級(Intelならプロセッサ・ナンバー、AMDならモデル・ナンバー)があります。
- プロセッサー一覧には、デスクトップPC向けプロセッサー以外のプロセッサ(ノートブックPC向けプロセッサーの CeleronM や Core 2 Duo TXXXX など)及び古い仕様のプロセッサは取り上げておりません。
- 最新のAMD Opteronプロセッサには、1000シリーズ(最高1P/2コア)、2000シリーズ(最高2P/4コア)、そして8000シリーズ(4P/8コア~8P/16コア)の3シリーズがあります。1000シリーズはSocket AM2、2000シリーズと8000シリーズはSocket F(1207)で供給されます。これらの最新のAMD Opteronプロセッサは、2007年供給開始予定です。
最も重要なマザーボードの選択
次にマザーボードの選択───。選択の際には、搭載するCPUのソケットの形状に対応したマザーボードを選択するのが原則です。
後々の拡張性も左右する最も重要なパーツなので、少々高くても信頼性のあるメーカー製(アスーステックコンピュータ、日本ギガバイト、エーオープンあたり)が良いかと思います。あと、インテルのCPUを搭載するのなら、インテルのチップセット(今なら945Pチップセット以降)を搭載しているものが良いでしょう。
最近では、3Dグラフィックの描画処理速度が向上する
という触れ込みのグラボ2枚差し(NVIDIA社のSLIかATI社のCrossFire)に対応したマザーボードもあるので、ゲーマーならばこれに対応したマザーボードとグラフィックボードを購入すると後々良いでしょう。他にも、複数のHDDを使ってのミラーリング(データの信頼性・安全性を高める)やストライピング(読み書きの高速化)の技術・RAIDに対応したマザーボードもあります。
私が今回選択したマザーボードは、ギガバイトのGA-965G-DS3(20,000前後)。他にも、アスーステックのP5B-V(20,000前後)、インテルのDG965WHMKR(17,000前後)、エーオープンの965GDAG-LF(14,000前後)なども良さそう。何れも最新のインテルG965チップセット搭載で、クアッドコアにも対応できそうだ。今は120,000円以上もする高価なクアッドコアでも、手が届く価格になったら換装できる訳です。
私の場合、PCでゲームをするとしても戦国SLG程度(高いグラフィック描画性能を必要としないゲームが殆ど)で、3Dグラフィックに凝ったゲームには殆ど興味がない。なので、幾つかの候補も含めてグラフィックチップ(Intel GMA X3000)をオンボードで搭載しているものを選んでみた。マザーボードにPCIeスロットがあるので、グラボが必要になったらこれに差せば良いだろう。
注釈
CPU毎にソケットの形状が異なり、マザーボードも対応するソケット規格が異なります。つまり、CPUを換装する場合、マザーボードが対応するソケット規格のCPUを選ぶことになります。但し、ソケットの形状が一致してもマザーボードによってはBIOSを更新しないと搭載できない場合もあるので注意!
最近では、BIOS保護機能(BIOSのフラッシュメモリを2個搭載するデュアルBIOSなど)を備えたマザーボードもあり、万が一の場合でも復旧できる製品もあります。
メモリは今や2枚差しが常識
次はメモリの選択───。数年前にインテル865シリーズがサポートしたことで注目を集めたデュアルチャンネル機能も今や常識。デュアルチャンネルに対応しているチップセットを搭載した今時のマザーボードならば、迷わずメモリは2枚差し!例えば、512MBなら256MBを2枚、1GBなら512MBのメモリを2枚装着した方が良い。勿論、CPUと同様にメモリはマザーボードの仕様にあったものを選択するのが原則。
メーカー製なら出荷前に全品検査を行なうなど、信頼性の高さに定評があるバッファロー製ならば安心でしょう。
私の場合、メモリは1GB(メモリクロック周波数は800MHz)もあれば十分快適だろうと思う。費用は、メーカー製でおおよそ16,000円前後。これがノーブランドだと1万円程度で購入できてしまう。補償という意味でもメーカー製を選択した方が無難なのだろうか?
注釈
- デュアルチャンネル機能では、2本のメモリを対に装着することでデータ転送速度(読み書きの速度)が向上します。
- Windows Vista Ultimate / Windows Vista Home Premium では、システムメモリが1GB以上必要になります(Home Basic の場合は、512MB以上が必要)。
HDDは大容量の時代
次はHDDの選択───。接続方式には、IDE、ウルトラATA、今では標準的なSATA、SATA2といった種類があるが、今なら迷わずSATA2で接続できるものを選択するのが最良。また、NCQに対応したSATA2では、データの読み出しを最適化することで転送速度が向上します。
どのメーカーのどの製品を選んでも性能と信頼性に殆ど遜色はないので、安く仕上げるならバルク品を購入するのが定石か?敢えてメーカー製を選ぶのなら、サーバ向けHDDで実績と信頼性の高いシーゲイト製なんてどうだろう?
ということで、シーゲイト製のST3320620AS(バラクーダ7200.10シリーズ)を選択。日立のHDT725032VLA360(デスクスターT7K500シリーズ)も良さそうだ。最終的にどちらを選んでも、320GBのHDDが10,000円前後で購入できるので大助かり!
光ドライブは以外に安い
次は光ドライブの選択───。接続方式はATAPIが一般的だが最近ではSATAで接続する製品もある。全てのDVDメディアに対応したスーパーマルチドライブも今やどれでも10,000円以下の価格。選ぶ時は、対応するDVDメディアの種類と書き込み速度をよく確認しよう。また、バルク品は格安だけどメーカー製だとライティングソフトなどが付属しているので、結果的にメーカー製を購入した方がお得だろう。
パイオニア製のDVR-112/MP(6,800円前後)なんてどうだろう。NECのドライブを採用しているアイオーデータ機器の製品、プレクスターの光ドライブも信頼性と性能の高さに定評があるようなので、もう少し検討することにしよう。
ケースと電源
最後にケースと電源の選択───。マザーボードの規格により、ATXやBTXがあり、何れにもミニサイズのマイクロ、更にミニサイズのピコ規格もある。ケースは寿命が長いパーツなので、良いものを購入したいところだ。
ケースによっては電源ユニットが付属している製品もあるが、あまり安いケースを購入すると付属する電源ユニットは粗悪なので、故障しやすい上に安定した動作を得られない場合もあるので注意。また、電源ユニットが別売りのケースでは、当然ながら別途に電源ユニットが必要になる。世界中の大手が採用するというAcBel製の電源は如何だろう?
ケースを選択する際には、5(5.25)インチベイ(光学ドライブなどを格納)、3.5インチベイ(FDDなどを格納)、3.5インチシャドウベイ(HDDを格納)の数を調べて、後々の拡張性も検討してから選択しよう。
私の場合、デザイン重視では無いものの、大きさや組み易さなどが実際に見てみないとよくわからないので、店頭で実際に確認してから決めようと思います。
その他
- OSにWindowsを採用する時は、パーツとセットで購入できるOEM (DSP)版がお買い得です。
- グラフィックチップが未搭載のマザーボード、またオンボードのグラフィック機能では物足りない場合には、別途にビデオカードが必要になります。
- 電話回線によるダイヤルアップ接続をするには、別途にアナログモデム(2,000円前後)が必要になります。
- 各パーツの相性については、ショップの店員さんに相談すると良いでしょう。
あとがき
以上のような感じでパーツを選択してみました。この他にも、液晶モニタ(30,000円程度)、キーボードとマウス(セットで3,000円程度)、スピーカー(安物で良い)、テレビキャプチャーボード(1~20,000円程度)も購入するつもりです。まだまだ検討中のパーツもありますが、だいたい以下のような構成になると思います。必要になる全ての費用の概算をしてみたところ、予算の75%前後で収まりそうです。
合計(本体+その他) | 155,280円前後 | ||
---|---|---|---|
本体 | |||
製品名称 | スペック | 予想価格 | |
CPU | Intel Core 2 Duo E6300 | 1.86GHz/FSB:1066MHz/L2:2MB | 23,000円前後 |
マザーボード | GIGABYTE GA-965G-DS3 | Intel G965 Express Chipset | 20,000円前後 |
メモリ | UMAX Castor LoDDR2-512-800 (2枚) | 1GB (DDR2-800/512MB*2/DualChannel) | 16,000円前後 |
HDD | Seagate ST3320620AS | 320GB/SATA2(3Gb/s) | 10,000円前後 |
光ドライブ | PIONEER DVR-112/MP | DVDスーパーマルチドライブ | 6,800円前後 |
GPU | Intel GMA X3000 (onboard) | ||
サウンドカード | Intel 8ch audio (onboard) | ||
ネットワークカード | Gigabit LAN (onboard) | ||
ケースと電源 | 検討中 | 20,000円程度 | |
合計 | 95,800円前後 | ||
その他 | |||
製品名称 | スペック | 予想価格 | |
ディスプレイ | 検討中 | 19インチワイド液晶モニタ | 30,000円程度 |
キーボード/マウス | Logicool Cordless Desktop EX110 | セットで3,000円前後 | |
スピーカー | 検討中 | 2,000円程度 | |
TVキャプチャーボード | IO-DATA GV-MC/RX3 | 10,000円前後 | |
OS | Windows Vista Home Premium 64bit DSP版 DVD-ROM/FDD セット | 14,480円 | |
合計 | 59,480円前後 |
Core 2 Duoプロセッサ、インテルG965チップセット搭載マザーボード、1GB(DDR2-800)のシステムメモリ、320GB(SATA2)のハードディスク、19インチワイド液晶モニタ、テレビチューナーを搭載してこの価格です。だからと言って、安物のパーツを選んだのでは無く、各パーツは信頼と定評があるメーカーの最新製品のラインアップから選びました。既製品(メーカー製)の最新モデル(Windows XP から Windows Vista にアップデートが可能な Windows Vista Capable PC 及び Windows Vista Premium Ready PC、或いは、発売予定のVista搭載モデル)と価格や性能だけを単純に比較しても、自作がどれだけお得なのかが一目瞭然だと思います。
自作PCは、同価格帯の既製品と比べて高性能で寿命が長い(パーツ交換で性能向上と延命が可能)。遊び心がある人ならば、スーパーファミコン改だって作れちゃいます。これこそ自作PCの最大の魅力ではないでしょうか?