2005-03-08

正しいHTMLとは?(其の参)

妥当なHTMLは、文書型定義に準じた構文で記述されたHTML文書を指すのだが、果たしてそれが正しいHTMLを指すのでしょうか?

本当に妥当(valid)ですか?

HTMLの妥当性の確認は、検証サービスを利用して簡単に行うことができます。しかし、検証サービスを利用してHTMLの検証を行う場合、タグの整合性さえ取れていれば、文書の構造がどんなに出鱈目で酷いマーク付けのHTMLであってもvalidと認定されます。それは、検証サービスには限界があり、例えば文書構造の内容まで解析して適切な要素で示されているか?等を検証することができない(機能に制限がある)からなのです。

HTML文書を作成する場合、例えば要素を記す場合であれば、表現要素構造要素を区別してHTMLの記述を行う必要があります。その具体的例の幾つかを以下に挙げます。

  • グループ化要素div要素とspan要素は、DTD(文書型定義)の中で定義されている他の要素では対応できない場合にのみ、構造を付加する目的で用いる要素である。
  • 見出しの語句は、見出し要素h1h6)で構造を示す。
  • 語句が強調を表す場合には、表現を目的とした文字体裁要素font, i, b等)ではなく、強調要素em, strong)で構造を示す(表現要素である文字体裁要素と構造要素である構造化テキスト要素の用途の区別)。
  • 字下げという表現目的で引用要素blockquote)を使用しない。
  • HTML表モデルは、表形式の情報を行と列とに配置する目的の為の構造要素であり、視覚的表現(見た目のデザイン)をすることを目的とした表現要素ではない。
  • 罫線要素hr)は、表現要素であり、構造的な仕切りを表す要素ではない。

以上はほんの一例ですが、作成するHTMLが従うDTDStrictであれTransitionalであれ、以上のようなこと(最低限度の基本中の基本)を理解しておく必要があります。

即ち、妥当性検証サービスでvalidと認定されたからといって、こういった基本すらままならないHTML文書に妥当性検証サービスの認定バナーを貼る行為は、態々恥(無知さ)をさらしているのと同然の行為だと言えるのかも知れません。

注釈

以下のサイトにて、HTMLの妥当性検証を簡単に行うことができます。

連絡事項

さて、次回は、「StrictかTransitionalか?」辺りに触れることになるのかな?

さて、どこまで続く・・・。

正しいHTMLとは?(其の四)に続く。